2020 January

 

   
 
 
 
ワタリウム美術館でフランスを代表するのアーティスト、フィリップ・パレーノの日本初の美術館個展「オブジェが語りはじめると」展を見る。1994年から2006年にかけて制作された代表的な作品が一堂に並ぶ。最近はロンドンのテート・モダンやパリではパレ・ド・トウキョウ、ヴェネチア・ビエンナーレなど国際展でも見る機会が多く、すっかりメジャーなアーティストのよう。1964年生まれのアルジェリア人、パリ在住。自身の展覧会を一連の出来事が展開する「台本のある空間」と表現するとう・・・。

 

 

 
 
U先生の新年会で久しぶりに国際文化会館に伺う。両親の結婚披露宴があったこの場所、記念撮影をしたモザイクの壁は改装後も保存され今ではパンフレットの表紙になっていることに驚く。変わらず美しいお庭を歩きつつ、細やかなディテールに至るまできちんと検証して保存する事の大切さを思う。

 

 

 
 
 
渋谷のイメージフォーラムに映画「つつんで、ひらいて」を観に行く。是枝裕和・西川美和が率いる映像クリエーター集団「分福に籍を置く新鋭・広瀬奈々子監督による装幀者・菊池信義と本を作る人々のドキュメンタリー作品。「クリエーターの日常をゆるやかに流れる空気」がそのまま映像になったような素敵な作品。さまざまな試行錯誤を経てたどり着いた結論が形になったモノ、それこそが作品であるのは分野は違っても同じなのだと共感しつつそのプロセスの違いが興味深い。編集者の友人と監督の舞台挨拶に伺う。

 

 

   
 
 
 
 
渋谷のアップリンクに映画「エッシャー 視覚の魔術師」を観に行く。子供の頃から大好きだったアーティスト、オランダ人版画家・画家でもあるマウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898年〜1972年)の自伝的ドキュメンタリー。トリック・アート、日本語では「だまし絵」で知られるエッシャー、幼少期は結晶学に興味を持ち、植物の写生に没頭し「自然を細部まで楽しみたい」と。その後の建築装飾学校で版画の才能を見出され建築家から専攻を変え、スペインのアルハンブラ宮殿のモザイクタイルの「繰り返す模様」に魅了される。作風のオリジンを知るさまざまなプロセスがとても興味深い。アメリカのタイム、ライフ両誌への掲載が世界的に認知されるきっかけになったことも時代を感じる。

 

 

 
 
 
 
エスモード・パリ東京校の卒業コレクションの審査会に伺う。審査員ということ自体がおこがましく「人様の作品を審査する」なんておよそ趣味ではないけれど、アクセサリーに関しては首や手首に着けるものだけに危険を伴うケースもあり自分の経験からくるアドヴァイスくらいに留めておきたいもの。新しい素材やiPadを使ったプレゼンの方法など逆にこちらが学ぶことも多く、皆さんのフレッシュなクリエイティヴィティに刺激を受ける。

 

 

 
 
大寒とは思えない暖かさの中、恵比寿から渋谷まで久しぶりに歩きアップリンクシアターの到着。世界的に大成功した映画「グラン・ブルー」のモデルとなったフランス人ダイバー・ジャック・マイヨールの生涯を追ったドクメンタリー映画「ドルフィン・マン ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ」を観る。素潜りの世界記録に挑む海洋ドベンチャー、幼少期に日本の佐賀・唐津で見た海女やフロリダで出会ったイルカに運命を導かれ、素潜りを極めるためインドではヨガを、日本では禅寺で修行に励みついに1976年、49歳の時に人類史上初めて水深100mに達する偉業を達成、人間を超越した感覚を経験した瞬間だったと・・・。素晴らしいカメラワークによる海中の画像が美しく、
まるで自分も潜っているような感覚にとらわれる。

 

 

 
 
 
expo index アップリンクから再び歩き東急文化村で「冬時間のパリ」を観る。フランスの名匠オリヴィエ・アサイヤスの最新作はエリック・ロメールの作品にインスパイアされたというパリの日常を切り取ったようなおしゃれな作品。ジュリエット・ビノッシュ、ギヨーム・カネ、ヴァンサン・マケーニュとゴージャスなキャストが冬のパリを闊歩するようにリズミカルにストーリーが展開、フランス版ウッディ・アレンの作品のよう。「フランス的人生の楽しみ方」とでも言えそうな大人のラブストーリー、深々とパリに帰りたくなる・・・。 page top

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